きほん

AEDの設置場所はどこ?推奨されている施設12選まとめ!設置基準ガイドラインをもとにわかりやすく解説します。

マサル
マサル
ねぇでんちゃん!AEDってさ、会社や団体によって必ず設置しないといけない義務とか、設置場所とか、そういう決まりってあるの?
でんでん先生
でんでん先生
そうじゃな。いちおう厚生労働省がAED設置基準のガイドラインを発表しておる。

あと、地域によってはAEDの設置が義務づけられているところもあるんじゃ。

マサル
マサル
それ詳しく教えてくれ~!

AEDには厚生労働省が発表している設置基準ガイドラインというものがあることをご存じでしょうか?また地域によって条例があり、一定の基準に当てはまる施設にはAED設置が義務付けられていたりします。

この記事を読めば、

  • AEDの設置に関してどんな決まりがあるの?
  • AED設置が推奨されている施設って?
  • うちはAED設置しなくて大丈夫?

などがわかるようになります。ではさっそく本題に入りましょう。

AEDの適正配置に関するガイドラインを知ろう

厚生労働省が2013年9月に発表しているAEDの適正配置に関するガイドラインでは、

  • AEDの設置が求められる施設・その具体例
  • AEDの施設内での配置方法
  • AED使用の教育・訓練の重要性

などが詳しくまとめられています。

※参考資料:自動体外式除細動器(AED)の適正配置に関するガイドライン

でんでん先生
でんでん先生
マサル君の知りたいことはこれにだいたいのこと書いてあるから、一度目を通してみるといいよ。
マサル
マサル
うわぁ~…。活字だらけでおいら疲れちゃうよ。簡単にわかりやすく教えてよでんちゃん!
でんでん先生
でんでん先生
ふぉっふぉっふぉ。いいじゃろう。ではここから大事なところだけピックアップしてまとめていくよ。

AEDを効果的・効率的に活用するために考慮すべき4つのこと

でんでん先生
でんでん先生
まず大前提としてじゃが、AEDを設置するにあたって以下の4つのことを考える必要があるんじゃ。
  1. 心停止(中でも電気ショックの適応である心室細動)の発生頻度が高い(人が多い、ハイリスクな人が多い)
  2. 心停止のリスクがあるイベントが行われる(心臓震盪のリスクがある球場、マラソンなどリスクの高いスポーツが行われる競技場など
  3. 救助の手がある/心停止を目撃される可能性が高い(人が多い、視界がよい)
  4. 救急隊到着までに時間を要する(旅客機、遠隔地、島しょ部、山間等)
でんでん先生
でんでん先生
ようは、心停止になる可能性が高いところは設置しておいたほうがいいよね、心停止になった場合にできるだけ早く救命処置ができるほうがいいよね、ということじゃな。
マサル
マサル
まあ当たり前っちゃ当たり前のことだよね~。

そういえばこの前でんちゃん言ってたもんね!心停止したら1分毎に救命率が7~10%も下がっていくから一分一秒を争うんだって。

AEDはなぜ必要?救命率がこんなに変わる!応急手当として重要視されるその理由をわかりやすく解説するよ。 近年ではテレビ番組などでも取り上げられるようになり、街中でもよく見かけるようになったAED。 ですが、そも...
でんでん先生
でんでん先生
まさにその通り。救急隊が到着するまでの数分間でその人の社会復帰率や救命率が大きく左右されるからの。

心停止からできれば5分以内にAEDや胸骨圧迫による救命処置ができるかできないかが超重要なんじゃ。

AEDの設置が推奨される場所や施設12選!

マサル
マサル
じゃあ具体的にさ、どんな施設にAEDは設置すべきなの?
でんでん先生
でんでん先生
そうじゃな。厚労省のガイドラインには12個の場所や施設が挙げられておる。これがそうじゃ。 
  1. 駅・空港
  2. 旅客機、長距離電車・長距離旅客船などの長距離輸送機関
  3. スポーツジムおよびスポーツ関連施設
  4. デパート・スーパー・飲食店などを含む大規模な商業施設
  5. 多数集客施設
  6. 市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設
  7. 交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設
  8. 高齢者のための介護・福祉施設
  9. 学校(小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等)
  10. 会社、工場、作業場
  11. 遊興施設
  12. 大規模なホテル・コンベンション
でんでん先生
でんでん先生
マサル君も、これらの施設でAEDのステッカーや設置されているのを見かけたことがあるじゃろ?
マサル
マサル
あるあるー。そういえばたまに見かけるね。
でんでん先生
でんでん先生
もちろんこれらの施設にAED設置が推奨されているのは理由があるんじゃ。それを一つずつ簡単に見てみよう。

1. 駅・空港

駅・空港

駅や空港など年齢とわず多くの人が集まる公共の移動場所へのAED設置は効果的です。人が多い場所=倒れる人がでるリスクも高いということです。

また空港に関しては、長旅の疲労やストレスが高まる環境でもあり、心臓発作を起こしやすいという報告もあります。

2. 旅客機、長距離電車・長距離旅客船などの長距離輸送機関

旅客機、長距離電車・長距離旅客船などの長距離輸送機関

先ほどと同じように長旅の疲労やストレスによる心臓発作リスクに加えて、孤立して救急隊の助けが得られにくい特殊な環境下でもあるので、AEDの必要性は高いです。

3. スポーツジムおよびスポーツ関連施設

スポーツジムおよびスポーツ関連施設

スポーツや運動中では若い人の心停止も多く、とくにAED電気ショックが有効な心室細動(しんしつさいどう)による心停止が多く見られます。

また野球やサッカーなどの球技、格闘技では急な心臓への衝撃による心臓震盪(しんぞうしんとう)の発生も多いことが報告されています。

4. デパート・スーパー・飲食店などを含む大規模な商業施設

デパート・スーパー・飲食店などを含む大規模な商業施設

これも駅や空港などと同じく多くの人が集まる場所ということから同じ理由です。基準としては、一日5,000人以上の利用者のある施設では複数のAEDを設置することが望ましいとされています。

5. 多数集客施設

多数集客施設

これも同じ理由。海水浴場、スキー場、動物園、アミューズメントパーク、大規模な入浴施設、観光施設、葬祭場などが挙げられています。

6. 市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設

市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設

同じく多くの人が集まる場所であることと、こういった公共施設では、市民へのAED設置や管理の模範や啓発になるという理由もあります。

7. 交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設

交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設

人口が密集している地域にあるこういった公共施設では、その地域の住民の命を守るという視点から、施設の大きい小さいにかかわらずAEDを設置することが望ましいとされています。

8. 高齢者のための介護・福祉施設

高齢者のための介護・福祉施設

高齢者の集まる50人以上の介護施設や福祉施設では、実際のところ一定以上の頻度で心停止が発生しており比較的AEDを使用する可能性や頻度が高いと言えます。当然AEDの設置が望ましいとされています。

9. 学校(小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等)

学校(小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等)

学校では、児童や生徒だけに限らず地域住民や教職員などの大人もふくめ一定頻度で心停止が報告されています。

日本の児童の突然死のおよそ30%が心臓突然死で、年間30~40件の死亡報告があり、学校はもっとも複数のAEDの設置が求められる施設の一つです。

10. 会社、工場、作業場

会社、工場、作業場

多くの社員を抱える会社や工場、とくに50歳以上の社員が250人以上働くこういった職場にはAEDを設置することが望ましいとされています。

11. 遊興施設

遊興施設

パチンコ店や競馬場、競艇場、競輪場などの遊興施設も多くの人が密集する場所であり、さらにこういったギャンブル性のある環境下ではストレスも高いために心停止発生のリスクも高まります。

12. 大規模なホテル・コンベンション

大規模なホテル・コンベンション

同じく多人数が集まる場所であり、なおかつ滞在時間も長い環境下にあるためおAEDの設置が望ましいとされています。

マサル
マサル
ふ~んなるほどね~。ようするにAEDを設置したほうがいいのは、人が多く集まる施設とか、倒れるリスクが高そうなところってことね。
でんでん先生
でんでん先生
その通りじゃ。過去のデータから一定以上の頻度で心臓発作が起こっているような施設では、当然一個ではなく複数のAED設置が望ましいとされておる。
マサル
マサル
いっぱい色んなところにあったほうが便利だもんね。
でんでん先生
でんでん先生
そうじゃな。あとは何度もいうが、孤島や山奥などの遠隔地や山岳地帯は救急隊や医療の提供までに時間を要する場所じゃから、そういったところはよりAEDの設置が推奨されておる。
マサル
マサル
AEDがないと急に倒れてもどうしようもないもんね。
でんでん先生
でんでん先生
その通りじゃ。あと補足として、民間救急車サービスなども最近はあるが、そういったところも当然AEDを導入したほうがいいの。

施設内のどこに置くべき?AEDの設置場所8選

AEDの設置が推奨されている施設に関してここまでお話ししてきましたが、それらの施設内の具体的にどこにAEDを置くのが望ましいのか?についてガイドラインをもとにまとめてみました。

大きく次の8つを意識して設置するようにしましょう。

  1. 建物の入り口付近
  2. 多くの人が通る場所
  3. 普段から目に入る場所
  4. 目立つ目印があるような場所
  5. カギなどが必要ない場所
  6. 高層ビルなどではエレベーターや階段近くの場所
  7. 運動場や体育感など心停止リスクが高まる場所
  8. 壊れにくく管理しやすい環境
でんでん先生
でんでん先生
とにかく重要なことは、いざという時に発見しやすく誰でもAEDを迅速に用意できるようにすることじゃ。
マサル
マサル
いざという時、AEDどこ!?ないない~!ってなったら最悪だもんね。
でんでん先生
でんでん先生
まさにその通りじゃ。

とにかく一つの目安として、この場所に設置して本当に5分以内にAEDによる救命処置が行えるかどうか?というのを意識してほしい。

5分以内のAEDによる救命処置を可能にするためには、平地であれば約300mの間隔での配置が必要とされています。一台では想定しうる事態に対応しきれないため、大きな広い場所ではとくに複数台の設置が推奨されています。

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AED設置が条例によって義務付けられた地域・団体

日本全体ではAED設置を義務付けた法律は今のところ作られていませんが、一部の自治体がその市町村内での特定施設にAED設置を義務づける条例を発効するケースもあります。

また、特定の業界団体が加盟する企業にAEDの導入を義務化したり推進するケースも出てきています。

いくつか具体例を挙げながら見ていきましょう。

1. 横浜市の例

横浜市消防局「横浜市救急条例」
でんでん先生
でんでん先生
横浜市では「横浜市救急条例」というものがあるんじゃ。

これは平成19年度第4回市会定例会において議決され、平成20年10月1日に施行されたんじゃよ。

マサル
マサル
救急条例ってなんなの??
でんでん先生
でんでん先生
これは一言でいうと、横浜市民の生命とカラダの保護に寄与することを目的として作られたものなんじゃ。

この「横浜市救急条例第6条」と「安全管理局告示第1号」により、以下の施設へAEDの設置が義務化されました。

  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場
  • 公会堂、集会場
  • キャバレー、カフェ
  • 遊技場
  • インターネットカフェ
  • 料亭、割烹
  • 飲食店
  • 百貨店、マーケットその他の物販販売業を営む店舗、展示場
  • 旅館、ホテル、宿泊所など
  • 病院、診療所、助産所
  • 老人福祉施設、有料老人ホーム、介護老人保健施設など
  • 幼稚園、特別支援学校
  • 蒸気浴場、熱気浴場
  • 特定複合用途防火対象物
  • 地下街(延べ面積が1,000㎡以上のもの)
  • 車両の停車場(バスターミナル除く)
  • 屋内プール、スポーツクラブ、フィットネスクラブなど(床面積が1,000㎡以上のもの)
基本的には、11階建て以上でかつ延べ床面積が10,000㎡以上のもの、または5階建て以上でかつ延べ床面積が20,000㎡以上のものが対象とされています。
マサル
マサル
おぉ~!さっきの厚労省ガイドラインと似てるぞッ!

ようするに、人が多く集まるところ、心停止するリスクが高まるところってことだね。

でんでん先生
でんでん先生
そうじゃ。結局はAEDの効果・効率を最大限に高めて活用される場所が選ばれとるわけじゃな。

また横浜市は「施設管理者は傷病者が発生した場合に、応急手当等を行うことができる体制を整備するよう努めなければならない」ともしているんじゃ。

マサル
マサル
設置するだけでいざという時使えななかったら意味ないもんね。なるほど予備知識と訓練は大事なんだな~。
【写真あり】AEDの使い方・手順・流れを日本一わかりやすく解説しよう。 日本全国でのAED設置台数は年々増えてはいますが、一般人が倒れている人を目撃して実際にAEDによる救命活動が行わ...

※参考資料:横浜市消防局「横浜市救急条例」について

2. 茨城県の例

茨城県「AED等の普及促進に関する条例」

茨城県でも、平成25年4月1日からAEDの普及促進を図る「茨城県AED等の普及促進に関する条例」が施行されました。横浜市のように義務づけではないものの、県をあげてAEDの普及に取り組んでいる前向きな姿勢が見られます。

  • 中心的な庁舎など
  • 県民が運動を目的として利用する施設
  • 県民が宿泊等を目的として利用する施設
  • 県立学校など
  • 保健福祉医療施設など
  • 県立病院など
でんでん先生
でんでん先生
茨城県では今のところ公共施設限定ではあるが、その他全国各地でのAED設置の義務化はどんどん進んでおるというここじゃ。

※参考資料:茨城県「AED等の普及促進に関する条例」

3. Jリーグの例

JリーグのAED設置義務

財団法人日本サッカー協会では、2011年度10月理事会において「チーム等に対する医学的義務の件」ということで

  • Jリーグ
  • 日本フットボールリーグ
  • なでしこリーグ
  • Fリーグ所属チーム

に対しAEDの所持および携行が義務付けられました。

さらに2014年にはJリーグのスタジアム要項を改定し、AEDを医務室の1台、救護室もしくは観客エリアに2台以上設置することを義務化しました。

でんでん先生
でんでん先生
Jリーグのこの取り組みは、当初は2015年6月までに備えることとしていたが前倒しで理事会で可決されたそうじゃ。素晴らしい取り組みじゃな。
マサル
マサル
スポーツとか球技とかはAEDが必要になる心停止が多いって言ってたもんね。選手や観客の命をまもるためなんだ!

※参考資料:財団法人日本サッカー協会「競技会における自動体外式除細動器(AED)配備について」

4. ハワイ州ホノルルの例

ハワイ州ホノルルのAED設置

海外では最近、アメリカ合衆国のハワイ州ホノルル市が、オアフ島に新築される建物に対してAEDの設置を義務づける法案を可決したという事例があります。

これは2018年1月1日以降に建設される公共施設と50人以上を収容する建物においては、各階にAEDを設置、維持することを義務付けたものです。

でんでん先生
でんでん先生
このホノルル市の法案でスゴイところは「各階にAEDの設置を義務づける」としている点じゃ。
マサル
マサル
日本にはそういう法案はまだないの?
でんでん先生
でんでん先生
今のところはな。このハワイの事例は、建物内のいつどこで非常事態があっても、できるだけ迅速かつ確実にAEDによる救命処置を実施しようとする素晴らしい取り組みと言える。
マサル
マサル
日本でもこういう条例や法案が増えるといいね!

※参考資料:New law requires life-saving devices in most new buildings on Oahu

まとめ

いかがでしたか?大事なことなので何度でも繰り返しますが、心停止した場合AEDによる電気ショックや胸骨圧迫などの救命処置を出来るだけ早く行うことが肝心です。

厚労省が発表しているAED適正配置のガイドラインではこれを可能にできるように、心停止による突然死が発生しやすいと考えられる施設へのAEDの導入を推奨し、最適な配置の方法について提言がされています。

また各地域の条例、団体の規定改定によるAEDの普及促進や義務化は、今はまだ全国的に広まってはいませんがAEDの周知を広めるとても有意義な取り組みであると感じます。

自社にAEDを設置する必要があるかどうか、また設置するのであればどこに設置すべきかを迷われている方は、こういったガイドラインやお住まいの地域の条例を参考にしながら検討してみてください。

マサル
マサル
AED導入を考えてる人はこっちも事前にチェックしてね~↓