きほん

AEDはなぜ必要?救命率がこんなに変わる!応急手当として重要視されるその理由をわかりやすく解説するよ。

マサル
マサル
ねぇねぇ、でんちゃん!

おいらAEDが大切ってことはなんとなく知ってるんだけどさ、どのくらい重要なのかってあんまり知らないんだ。

でんでん先生
でんでん先生
ふぉっふぉっふぉ。そういう人は意外と多いのかもしれんの。いいじゃろう。

AEDによる応急手当がどのくらい大切なのか、際の救命率にどのくらい影響を及ぼすのか見てみよう。

マサル
マサル
それそれー!おいらAEDがあるのとないのとでどのくらい変わってくるかとか知りたかった!

近年ではテレビ番組などでも取り上げられるようになり、街中でもよく見かけるようになったAED。

ですが、そもそもなぜ必要なのか?どのくらいAEDによって救命率が高まるのか?などついて知ってる人は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、

  • AEDがなぜ必要なのか?
  • AEDによる一時救命処置の大切さ

これらについて、具体的な数字データを挙げながらわかりやすく解説していきたいと思います。

「救急車を待つだけでいい」「心臓マッサージでOK」と思っていませんか?この記事を読めばいかにAEDによる救命処置が大切かがわかります。

それではさっそく本題に入りましょう。

日本における死因第2位が心疾患による死亡です

日本における死因第1位はガンによる死亡、第2位が心筋梗塞や不整脈による心疾患です。そして総死亡数のうちこの心疾患による死亡数は全体の1/6以上を占めています。

日本人の死亡数(2017年)
  • 総死亡数……1,340,397人
  • 心疾患による死亡数…… 204,837人

※参考資料:厚生労働省平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況

マサル
マサル
ガンの次に多いんだね。じゃあさ、これって交通事故とかで死ぬ人とかよりも多いの?
でんでん先生
でんでん先生
ふぉっふぉ。いい質問じゃな。

交通事故での死亡者数を見ると年間3,532人。ちなみに火災による死亡者数を見ると年間1,456人なんじゃよ。

つまり、心疾患によって亡くなる人は交通事故で亡くなる人の約58倍。火災事故によって亡くなる人の約140倍も多いというデータがあるんじゃ。

※参考資料:警察庁平成30年中の交通事故死者数について
※参考資料:消防庁平成29年(1~12月)における火災の状況

マサル
マサル
え~!!そんなに多いんだ!おいら知らなかった。

心疾患による死亡者数をみると、単純計算で一日に560人以上の人が突然命を失っていることがわかります。もちろんすべてが救命可能な環境や時間に発見されているわけではありませんが、いかに私たちの身の回りで身近に起こっている出来事であるかがわかります。

心停止を目撃した一般人がAED救命処置をしている割合

でんでん先生
でんでん先生
しかも一般市民による目撃があった心停止の傷病者数は25,538人で、そのうち一ヶ月後も生存している人は3,444人というデータもある。

つまり、我々が目撃した心停止者のうち生存率している人はたったの13.5%しかいないということじゃ。

参考資料:消防庁平成30年版 救急・救助の現況(救急編)

マサル
マサル
たったのそれだけ?

じゃあ、逆に言うと残りの86.5%の人たちって……

出典:消防庁平成30年版 救急・救助の現況(救急編)

でんでん先生
でんでん先生
そうじゃ。残念じゃが死んでしまっておる。
マサル
マサル
このうち、どのくらいの人がAEDで救命処置を受けたんだろう?
でんでん先生
でんでん先生
いいぞマサル君、そこが問題なんじゃ!

この中で、一般市民によるAED応急処置を施された傷病者はたったの1,260人。つまりたったの4.9%の人しかAEDによる救命処置を受ていないんじゃ。

マサル
マサル
え~!全然ダメじゃん!もっとAED活用できれば絶対もっとたくさんの人が助かってるじゃん。
でんでん先生
でんでん先生
まさにそうなんじゃ。年々少しずつAEDによる救命処置率は上がっているとはいえ、まだまだ周知され実際に行動にうつせる人は少ないということじゃな。

AEDによる救命処置が大きく生死を左右する

心疾患による死因の多くは、

  • 急性心筋梗塞
  • 心室細動などの不整脈
  • 心不全

などです。このうちとくにAEDによる救命率が高まるのが心室細動と呼ばれる不整脈で、心臓がけいれんしブルブル震え、血液を全身に送れなくなってしまう状態になります。

この状態は、脳に酸素が送れなくなる非常に危険な状態です。しかも心室細動によるけいれんは時間とともに振れ幅が小さくなっていって、数分で完全にとまってしまうのです。

でんでん先生
でんでん先生
じつは皮肉にも、心室細動が起こってから完全に止まってしまうまでの数分が、ちょうど救急車を呼んでから到着するまでの時間と同じくらいなんじゃ。
マサル
マサル
えー!じゃあ人が倒れたらほんとにほんの数分間がものをいうんだね。

だからAEDって大事なのか。おいら知らなかったよ。

でんでん先生
でんでん先生
ふむ。じゃあここから、時間とともにどのくらい救命率が下がるのか。具体的にみてみよう。
【写真あり】AEDの使い方・手順・流れを日本一わかりやすく解説しよう。 日本全国でのAED設置台数は年々増えてはいますが、一般人が倒れている人を目撃して実際にAEDによる救命活動が行わ...

心停止後は1分毎に7~10%ずつ救命率は下がる

上の図は、心停止後の救命曲線を表しています。

  • よこ軸……時間経過
  • たて軸……助かる確率
  • 黒線……救急車がくるまでに救命処置が施された場合
  • 点線……救急車がくるまで何もしなかった場合
でんでん先生
でんでん先生
この図を見てもらうとわかる通り、心停止後は時間が経てば経つほど助かる確率は下がってくるんじゃ。

そして、救急車がくるまでの処置で大きく救命率は変わってくる。

マサル
マサル
ほんとだ。何もしなかったら、10分後とかもうほとんど助からないじゃん……
でんでん先生
でんでん先生
そうなんじゃよ。だから目安としては5分以内!心停止から5分以内にAEDによる救命処置を行うべしなんじゃ!

心停止すると呼吸が止まり心臓は血液を送れない状態になります。とくに脳に酸素が送られなくなることは非常に危険でありほんの数分で死に至ります。まさに一分一秒が生死を分ける状況なのです。

この状況では救急車が到着するまでの数分間、気道確保や胸骨圧迫、AEDによる電気ショックなどの一時救命処置が施されるかどうかが超重要です。

※一時救命処置の流れ

救急車が到着するまでの時間に命をつなぐ

全国平均でみると救急車の現場到着時間は8.6分、病院収容平均時間は39.3分というデータも。しかも年々この所要時間は延伸傾向にあることがわかります。

※参考資料:平成31年1月11日総務省「平成30年版救急・救助の現況」の公表より

でんでん先生
でんでん先生
もちろんこれはあくまで”全国平均”じゃ。

住んでいる地域やその時の道路状況などによっても救急車の到着時間はさらに遅れることも考えられるよ。

マサル
マサル
そうだよね。おいらの田舎の山のほうはもっと時間かかりそう。
でんでん先生
でんでん先生
そうじゃな。だから倒れている人を見かけたら、兎にも角にもまずは意識確認。意識がなければ迷わず119番通報じゃ!
マサル
マサル
AEDどうこうよりも、まずは救急隊を呼ぶのが大事なんだね。

AEDによる電気ショックや胸骨圧迫などは、あくまで救急車を呼んでから到着するまでに行う一時救命処置であることを覚えておきましょう。まずは119番で救急車を呼ぶ。私たち一般市民にできることは、プロの方がくるまで出来る限り命をつなぐことです。

ネガティブな言動をしない、聞かない

ここまでで、心停止によって突然人が倒れた場合、目撃した私たち一般人はできるだけ早急に救急車を呼び、AEDや胸骨圧迫などの一時救命処置を行う必要があるかがわかってもらえたと思います。

しかし、リアルにその現場を想像してみてください。すると必ずといっていいほど、

  • 脳卒中かもしれないから動かさないほうがいいのではないか?
  • 胸骨圧迫で骨が折れたりなど余計に症状が悪化するのではないか?
  • 素人がさわるよりプロの到着を待つのが一番なんじゃないか?
  • もし何かあったら責任とれるのか?

こういったネガティブな言動をする人が出てきます。

とくに見ず知らずの他人が倒れた場合、自分の行動によってその人の救命率を左右するようなそういった責任が生まれるケースでは、不安になる気持ちもわかります。

マサル
マサル
たしかに!医療の知識があるわけでもないし、おいらみたいな素人が触らない方がいいのかもって不安になるかも……
でんでん先生
でんでん先生
いざという現場では、ハッキリいうとそんな声は無視でいい。

一時救命処置によって結果的にその人のケガや持病が悪化することよりも、一時救命処置をしないことによって脳に酸素が送られないままになるほうがよっぽど危ないんじゃ!

マサル
マサル
そっかー!まさに今が一番危険な状態かもしれないのに、ほかのことをあれこれ考えてるヒマないもんね。
でんでん先生
でんでん先生
そう!だから現場ではこういったネガティブな言動は禁止!とにかく今考えうる最悪のケースを想定したうえで、みんな勇気をもって行動してほしい。

そうです。何度も言うように心停止によって全身に血液が送られない、酸素が脳に送られない状態が何よりも救命率を低下させます。

この状態になると一分一秒が生死を分ける瀬戸際なので、迷わずAEDの使用、胸骨圧迫による救命処置を施すということを忘れないでください。

AED使用未使用で変わる救命率の大きな違い

※参考資料:総務省「平成30年版 救急・救助の現況」

平成31年(2019年)の総務省発表によると、一般市民によって心肺停止の時点が目撃された症例は25,538件でした。

そのうち、一般市民により救命処置が行われた14,448件では、1ヵ月後生存は2,404件(16.6%)で、1ヵ月後社会復帰は1,724件(11.9%)でした。

さらに一般市民によりAEDが使用された1,260件では、1ヵ月後生存は674件(53.5%)で、1ヵ月後社会復帰は576件(45.7%)でした。

一方で、一般市民により救命処置が行われなかった症例は11,090件で、そのうち1ヵ月後生存は1,040件(9.4%)、1ヵ月後社会復帰は508件(4.6%)というデータがあります。

マサル
マサル
う~、おいら細かい数字とか苦手だよ~

つまりどういうこと?

でんでん先生
でんでん先生
ここからまずわかるのは、一般市民による救命処置によって助かる確率が約2倍にもなっているということじゃ。
マサル
マサル
すごいね!そんなに変わるんだ。
でんでん先生
でんでん先生
ただ、残念なことに一般市民がAEDを使用しているのは全体のたった約5%ということもわかる。しかもそのうち半分の人は助かっておる。これは驚異的な数字じゃ。
マサル
マサル
AEDってすごいんだ!
でんでん先生
でんでん先生
そして救命率だけではない。その後の社会復帰率にもAEDは大きく影響しておるんじゃ。ここも大事なポイントじゃの。

もっともっとみんながいざという時AEDを使えるように、正しい認識や知識や使い方を広めていく必要がある。

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まとめ

いかがだったでしょうか?今回はAEDがなぜ必要なのか、AEDによって助かる命がどのくらい増えるのかについて解説してきました。

過去のデータを見るかぎりでは年々AEDの重要さは知られるようになっていることがわかります。販売数が伸びていることも救命率に影響しています。

ただ、一般市民が目撃した中でAEDを使用しているのはたったの5%。まだまだ現実的にいざという時AEDを使用できていない、行動できていない人が多いということも浮き彫りになっています。

この記事をきっかけに、AEDの導入や使い方、一時救命の講習を受ける人がふえ、いざという時に勇気と自信をもって行動出来る人が増えれば幸いです。
マサル
マサル
AEDの導入を考えてる人は要チェックだよ~↓